石川県立歴史博物館で開催中の『御殿の美』展では、石川県のシンボルである金沢城二の丸御殿をめぐる最新の研究成果を紹介しています(2023年11月26日(日)まで)。明治14年に当時御殿を使用していた陸軍省の過失による火災で焼失してしまった二ノ丸御殿ですが、現在、復興の計画もじわりじわりと進み、このような展示で詳しく当時の様子を知ることができるのはうれしいことです。
展示会場に京都の二条城や名古屋城と見比べつつ金沢城についての案内がありますが、図録資料の方では、金沢城二ノ丸御殿の内装に使われた襖紙・金具類のデザインとそれが使われた場所が、詳しく記載されています。2分冊で3900円。意外にも展示している歴史博物館では購入はできず、石川県庁まで足を運ぶことが必要でした。
しかしながら、こうした内装関係にとどまらず、石川県庁では、現在、大量の資料が販売されています。こうしたものが購入可能なものとして並べられているのには感動すら覚えます。(通信販売の対応の可否については、上リンクの管轄部局までお問い合わせください)
ここでは特に、襖の模様に注目します。金沢市立玉川図書館 近世史料館のフリーダウンロードコーナーから取得した模様を一部転載します。
「立波」模様や「波に帆」模様は、海に面している石川県ならではのデザインでしょうか。自宅の襖も、さっそくこちらのデザインにしたくなりました。襖とは、室内でもっとも大きな額縁とも感じられます。
歴史のある金沢の内装史には、現代の家に応用していきたい美しいものが、たくさんあります。地元専門家の方の研究の続行を楽しみに、応援しながら一緒に発見を続けたいものです。