浅野川大橋を北に10分ほど歩いたところにある和菓子屋さんが、ご高齢のため、惜しまれながらこの5月で閉店しました。ご近所に愛される地域に根差したお店でしたが遠方からのお客様も多く、「頂き物でおいしかったので、自分でもほしくなって買いに来ていた」という声を複数の方から聞きました。

築年は明治35年。金沢市に電話が開通した翌年です。金沢の三文豪のひとり徳田秋聲の代表作『まちの踊り場』の冒頭に、この町家が登場します。というのもこの家は元は秋聲のお姉さんの婚家でした。昭和38年にこの家を購入したのが現在の所有者様の先代の方だったのです。

そんな由緒ある、通り沿いの家であり、この町家を残せたらいいなあと思います。さらにはお店や事業をなさる方によって、まちのともしびが消されないと、なおよいのですが。それを応援するように、金沢市の町家補助対象地区です。店舗の場合最大500万円の補助の可能性があります。まちなか住宅奨励金対象地区でもあります(いずれも詳細は金沢市にご相談ください)。

いろいろなアイデアで、この家の歴史をつないでくださる方があれば、ぜひぜひお問い合わせください。